新刊目次

第一部 脳の理解を深める 1

Ⅰ章 ニューロンとグリア細胞2

シナプス:ニューロンの繋ぎ目3

シナプスにおける伝達過程の概要3

グリア細胞3

トライパータイトシナプス(tripartite synapse):アストロサイトの役割4

              脳間質液の流動5

アストロサイトの情報伝達:カルシウム ウェーブ7

アストロサイトの収縮運動8

 

Ⅱ章 脳の役割と構造、その起源から10

生物史からみた脳の発達10

嗅覚の情報は独自のルートをたどっている13

脳と消化器官13

脳腸相関、腸脳相関14

腸の炎症14

脳の炎症反応“neuroinflammation” 15

脊椎動物の大脳17

終脳外套(大脳皮質)の発達:グリア細胞が神経回路の配線を制御する!17

外套から発生するそのほかの脳構造18

側頭葉内側の奥まったところに古い皮質に属する大脳辺縁系の回路がある19

記憶と情動の回路20

身体と心が結びついた情動21

身体の呼吸(内圧変動)という観点から22

 

Ⅲ章 神経系の成り立ち 発生学の視点から23

ヒトの胚embryo23

胚盤から胎児の身体が構成される23

神経系が外胚葉からはじまる24

大脳皮質の層構造の形成:ニューロンの移動(Neuronal migration26

 

 

Ⅳ章 大脳半球の機能解剖28

連合野28

頭頂葉の連合野28

側頭葉の連合野29

前頭葉の連合野29

人間らしさの前頭前野(前頭前皮質)29

抑制は調整的である31

大脳皮質運動野の活動32

錐体路系と錐体外路系32

随意運動の発現と制御32

大脳基底核に関連して34

高草木薫先生の論文を参考に36

神経組織の階層性と脳内地図37

固有感覚とは刺激源が自己自身にある自己受容感覚である38

大脳皮質の頭頂葉に体性感覚野がある38

内臓感覚と、気分、情緒的感覚41

 

Ⅴ章 脳の多領域ネットワーク42

セイリエンス ネットワーク42

42

セントラル エグゼクティブ ネットワーク43

デフォルト モード ネットワーク43

無心の状態とは?44

知覚(感覚的意識活動)は対象に向かう:ボトムアップとトップダウン45

前帯状回46

ワーキングメモリ(Working Memory)のネットワーク46

小脳の感覚機能48

 

第二部 大脳半球間インバランス49

Ⅵ章 左半球と右半球の特性50

脳機能の側性(偏在性)50

これまでの左半球と右半球の特性についての見解51

左半球と右半球の機能的特徴51

脳損傷による臨床症状の例52

大脳半球間の架け橋:脳梁53

 

Ⅶ章 ヘミスフェリシティ55

ヘミスフェリシティのコンセプト55

注意機能からみた右半球と左半球55

左脳的 それとも 右脳的?59

右半球の感情に関する側性59

認知機能には両側の大脳半球が関わっている61

大脳半球間の機能差をみることは可能か61

両耳分離聴の実験61

二重課題法(dual-task method63

機能神経学的な二重課題検査の工夫63

Dr.Carrickが語ったヘミスフェリシティ64

音源定位検査64

OPKテープによる検査66

大脳皮質統合性の偏り66

ヘミスフェリシティによる影響66

ヘミスフェリシティを示すサイン67

手振り身振り、上下肢の動きなど68

前頭葉の偏った出力は身体にどのようにあらわれるのか?68

Pyramidal soft Paresis(ピラミダル・ソフト・パレーシス)69

青斑核と縫線核からの筋緊張促進作用71

アミン系神経伝達物質による運動ニューロンの修飾71

高草木薫先生の「大脳基底核の運動制御」から72

相反抑制:主動筋が収縮するときに、拮抗筋は弛緩される72

痛みを抑制する下行性抑制系としての青斑核と縫線核73

橋延髄網様体脊髄路は、橋網様体と延髄網様体で異なる作用73

網様体脊髄路の特異的作用:モジュレーション74

バレー徴候74

皮質網様体路CRTと皮質脊髄路CSTについて75

皮質-延髄網様体路(CRT)と延髄網様体脊髄路(Medullary RST76

大脳皮質は網様体にどのような作用をもたらしているのか78

足の拇趾の動きを司る神経活動の重要性80

 

Ⅷ章 大脳半球間インバランスの要因と徴候84

脳機能に影響を及ぼす感覚刺激84

深部腱反射の機能神経学的評価86

ディス アヘェレンテーション87

ディアフェレンテーション87

求心性入力低下の影響88

脳卒中と経頭蓋磁気刺激の臨床研究から90

大脳半球全体の機能低下はありえるのか? 91

前頭葉と小脳のダイアキシス:機能乖離(遠隔性機能障害)92

視運動性眼振のOPK検査93

 

Ⅸ章 身体にあらわれるサイン95

Ⅰ.運動面95

Ⅱ.ことば97

Ⅲ.情緒行動98

自律神経機能の変調:Dysautonomia98

呼吸と自律神経のリズム99

身体の呼吸波101

調節障害101

起立性低血圧101

体位性頻脈症候群101

外傷性脳損傷(TBI101

 

第三部 臨床編103

Ⅹ章 脳の発達と障碍104

乳幼児の発育・成長104

幼児期の発達(2歳~6歳)105

学童期の発達(知性の発達)106

1218歳 思春期107

学習能力の発達に関連して107

音読と言葉の意味理解107

文字の視覚的な認知108

書く能力108

子どもの抑制機能の発達108

脳の発達障碍:発達障害の原因と発症メカニズム109

遺伝と環境の相互作用110

脳機能からみた発達障碍110

自閉症:行動面と高次脳機能発達の問題点111

機能神経学から自閉症を考える;Dr.Melilloのディスコネクション説112

子どもの発達性協調運動障害113

脳マッピング画像の研究から114

【新説】感覚機能器官としての小脳114

発達障碍児の眼球運動にあらわれるサインと評価116

前庭系からはじまる感覚統合116

子供との遊びを通して、機能神経学的なアプローチを工夫する117

 

ⅩⅠ章 脳機能と前庭系119

前庭器官119

  慣性センサーとは119

複雑なシステムを考えるうえで参考になる複雑系の科学121

前庭系と多感覚統合122

頭頸部と前庭系123

橋・延髄移行部に位置する前庭神経核123

前庭動眼反射VORの臨床的意義124

ヘッド スラスト テスト124

姿勢保持のための前庭系と網様体の相互作用125

前庭系と小脳125

小脳のホムンクルス125

小脳の機能解剖126

室頂核から前庭神経核/脳幹網様体への神経経路128

前庭小脳(片葉・傍片葉)の機能129

虫部下部:虫部錐体、虫部垂、小節130

前庭小脳⇒内側前庭核・舌下神経前位核の速度蓄積機構130

前庭系-視床-大脳皮質131

認知に関わる前庭情報131

頭頂葉における自己中心的な表象132

他者中心座標系132

前庭情報と視覚情報の統合133

ナビゲーションのための特殊な神経細胞134

外界の空間認識135

めまいの臨床136

めまいのベッドサイドでの神経検査の手順139

頸性めまい139

難聴と耳鳴り140

簡易聴力検査141

慢性的な耳鳴り141

内耳の気圧センサーと気象病142

気象病の専門医 佐藤純先生が語っていること143

循環調節の神経機構と調節障害145

起立性頻脈(体位性頻脈)146

 

ⅩⅡ章 軽度-外傷性脳傷害(mTBI) 149

眼球運動による臨床的な評価150

縦方向の眼球運動、その臨床的な意義151

眼球運動の主目的の一つは頭部動揺時の視野の安定化にある152

前庭リハビリの方法としてのオプトカイネティック(OPK)検査の応用153

前庭リハビリテーション療法(VRT155

眼と頭部の前庭協調運動157

外傷性脳傷害の重症度は精神的にあらわれる159

脳震盪とミクログリア活性化:プライミング160

 

ⅩⅢ章 眼球運動と頭頸部の不調和162

神経積分器(ニューラルインテグレーター)162

眼の動きと頭頸部の補正的な機能162

【新説】小脳と大脳基底核との相互作用 166

小脳と大脳基底核の架け橋となる脚橋被蓋核と視床下核167

小脳の過活動と大脳基底核の関係168

頸部ジストニアのfMRI画像の研究から169

小脳の活動が運動野にどのように影響しているのか?169

頸部ジストニア170

頸筋の過剰な緊張を緩和する方法171

頸部ジストニアへのアプローチ171

小脳-大脳基底核-神経積分器の神経回路からのアプローチ172

 

ⅩⅣ章 身体の痛み、心の痛み173

慢性疼痛症175

難治性慢性疼痛176

脊髄レベルで起きる悪化要因176

グリア細胞の活性化による脳の炎症反応と感覚神経の過敏化178

センソリ ミスマッチが慢性痛を引き起こす?176

複合性局所疼痛症候群CRPS 179

 

心因性疼痛179

線維筋痛症、慢性疲労症候群181

 

第四部 臨床研究編184

ⅩⅤ章 呼吸と脈拍185

 はじめに185

 『呼吸と脈拍』の症例研究185

呼吸と脈拍の関係:脈拍/呼吸率PRQ(論文概説)188

体位性頻脈の特徴と自律神経活動の揺らぎ192

機能神経学的な方法論を探ってみた194

随意的な呼吸だけでは脈拍との正常な関係にはなりえない194

歩行リズムと脈拍、そして呼吸との関係194

歩調と呼吸そして脈拍と呼吸のカップリングの臨床活用196

この章の結び196

 

ⅩⅥ章 身体の呼吸と大脳半球機能インバランスの考察198

筋骨格系からみた身体の歪み198

胸郭の歪みは全身の呼吸に大きく影響する198

代償作用としての身体の歪み198

膜構造体としての身体200

膜系は全身をとおして繋がっている200

身体の形成:体節形成201

体肢の発生201

身体のテンセングリティ202

身体呼吸療法202

頭蓋腔の中の膜構造と脳脊髄液206

頭蓋内部の内圧変動波と脳脊髄液の揺らぎ(オシレーション)207

徐波睡眠時に脳脊髄液が脳内に流入し毒素を洗い流す208

生体リズムの調整は睡眠時にはかられる209

体内時計:概日リズム(サーカディアンリズム)210

大脳半球の活動は鼻呼吸サイクルと関連する212

大脳半球の過活動によるインバランス214

徐波睡眠時の脳脊髄液の波動は鼻呼吸に同期して起きている217

ストレスに対する抵抗、適応反応:ノルアドレナリン系とセロトニン系219

  ストレスと前頭前野220

 

巻末資料

『経頭蓋磁気刺激法』

『異常な不随意運動は小脳と基底核の相互作用の変調に起因する』

『呼吸波と自律神経』